8.オートグラフでバッハを聴く


タンノイというスピーカーで音楽を楽しむという趣味は、大変奥の深いものです。
各自が、タンノイというスピーカーに出会い、苦労の末に入手する。そうして長い年月をかけて、各自の部屋でアンプを替えたり、セッティングを工夫してじっくり鳴らされる。その鳴らし込みの過程で、それぞれが、音楽のある生活を楽しみ、心が豊かになっていきます。そして、各自がタンノイの表現する音楽や喜びや悲しみを共有し、感性を磨き、音楽への感謝と人々へのやさしさのある心を育てていくという不思議な道へと導いてくれます。

それぞれのタンノイのスピーカーは、その人の音で鳴っています。人柄や音楽に対する思い入れが、タンノイを通して音楽となって鳴らされ、それが、タンノイを聴く者に深い感動になってそれぞれの心に響いていきます。タンノイを購入されたら、まずは、自分のペースで楽しみながら、じっくり時間をかけて取り組み、タンノイの鳴らす音楽を好きになり、タンノイファンとして幸せな人生を過ごしてほしいと願っています。

タンノイとバッハはとても相性が良いです。バッハを聴けば、おのずと音楽とは何かを教えてくれるのです。バッハだけのもつ、自然で、奥深い世界を知ることができるのです。また、バッハの中には、人々にかけがえのない勇気や悲しみそして自分を大切にし、かけがえのないものだと思わせる神秘的な音楽がバッハの根底にあるのです。

バッハといえば、私の友人がヨーロッパへ3年ほど留学していたときに、どうしてもバッハのお墓参りがしたくなって出かけました。夕暮れ時だったが、せっかく来たのだからお花を上げたいと思い、近くの道ばたで花を売っていた素朴な農夫に話しかけると、農夫は親しみをこめて「私のバッハ」と言い、今度予定されているバッハのコンサートを楽しみにしていると話し、有名なバッハでなく、私のバッハと話していたことが、とても印象に残ったと話してくれました。だから、私も農夫に習い気楽にバッハの音楽をきくことにしました。それから、少しずつバッハににのめり込み、集めたLPやCDが約200枚になりました。現在私は53才になりました。これから、もう一度、今まで集めたバッハをじっくりと楽しんで聴きたいと、思っています。


バッハの世界を旅しています

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