4.LINN IKEMIの導入記


CDプレイヤー LINN IKEMI

LINN IKEMIの試聴

CDプレイヤーを、もう少しレコードの音質に近づけたいと思っていました。CDが販売されて約20年、そろそろアナログに近いCDプレイヤーが登場するのを、心待ちしていました。

偶然LINN のIKEMIというCDプレイヤーを、自分の装置で聴く機会がありました。さっそくプリアンプのマッキントッシュC−22に接続して聴いてみました。CDですから、音質はあまり気にせずに聴いてみました。マイルス・ディビスのサムシング・エルスをかけました。すると、マイルスのトランペットがステージの奥からなめらかな質感を見事に出して、私の心の中に訴えてくる演奏を聴かせてくれました。次に弦の合奏を聴きたくなり、ビバルディの四季から冬をかけました。シャルランレーベルのヨーロッパのホールトーンをどのように表現するのか楽しみでした。そして、段々と冬の景色を思わせるバイオリンの音色が、今まで、どのCDプレイヤーで聴いてもひとつにまとまって聞こえていました。しかし、IKEMIは、それを一人一人が心をひとつにして合奏しているようすが、伝わってくるような演奏をみごとに引きだしてくれて、とても感動しました。

さらに、ピアノはどう鳴るのか、ためしてみたくなり、ベートーヴェンの熱情をグレン・グールドのタッチがみごとに出てきて、さらには、グールドの描いた音楽に対する真剣な演奏を聴かせてくれました。次に、女性ボーカルでは、サラブライトマンをためしてみると美しく素晴らしい声がオートグラフの中央にぴたりと定位して、ボーカルが前へ前へと三次元に聞こえてきて、とてもうれしくなりました。さらに、夜、チェット・ベイカーのトランペットで、バラードをかけてみました。やわらかく、やさしい音色でベイカーのペットが聞こえます。とても良い感じです。
                                                      以上、LINNのIKEMIというCDプレイヤーをじっくり聞きこみ、次のことを感じました。

○TANNOYとの相性はなかなか良い。
○情報が多く分析的ではなく、心地よく音楽が聴ける。
○地味な音色だが、聞き込めば素晴らしい音楽性をもっている。
○アナログに似た音質で、今までにない絶妙な味付けがされている。
○オートグラフの音楽性と似合うとても良い組み合わせである。

という試聴の結果、導入を決めました。

☆CDが登場して約20年、ようやく音楽を真剣に聴けるCDプレイヤーに出会い満足しています。今まで、何台もCDプレイヤーを買い換えてきました。アナログに対して、やはり音がかたいとか、弦が聴けませんでした。現時点では、このIKEMIで今後10年ぐらいは、聴いていけそうです。  

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