20.自分の耳で作り上げる大切さ

ところで、タンノイオートグラフにK−597を追加してオールホーンシステムを、上記のように時間をかけて調整していくと、初めはバラバラに鳴っていたものが、チューニングの過程では、苦労はするが、それが身に付くことがわかってきました。私の場合は、上記でツイーターの位置決めをして、さらに、同じ要領で、壁とオートグラフの位置を、相当の時間をかけてやりました。チューニングの最初は、自分の耳では、まったく違いが見分けられませんが、根気強く、毎晩取り組み1ヶ月ほどするともうだいぶ、自分の耳で違いが見分けられるようになってきます。そうなれば、チューニングが楽しくなってきます。それまで、相当の辛抱が必要です。それなくては、チューニングはできません。これに、このツイーターの追加という1つの事で、何と奥の深いオーディオがあることを、少し勉強になりました。

そうして、チューニングが終わり、試聴しました。そうすると、これが、本物のタンノイオートグラフの音なのかと感動しました。タンノイのやさしさとK−597の生々しさがベストマッチングして、安心して音楽に浸れるようになりました。じっくり音楽を聞きこみますと、

今まで不満だったタンノイオートグラフの高域がきつさ、すっきりと抜けきっていないで低域のもこものオートグラフから、生まれ変わったような素晴らしい音が出てきました。まず、高域がきつくなく、すっきりと抜けてきます。そうすれば、中域のフロントホーンからきちんと整理された音域ながら今まで聴いたことのない豊かな表現力のある見事な中域が聴かれるように変化してきました。さらに、バックロードホーンから、しまりのある低域で、楽器の音階がきちんと表現されるまでに変化してきます。今までの苦労がすべて吹っ飛ぶます。何とオートグラフは素晴らしいのか、また、奥が深いのか、改めてこの、タンノイだけの持つ音楽美の世界を表現してくれるまでに変身します。びっくりです。ツィ-ターを追加するポイントは、決してツィーターを鳴らしすぎてはいけません。

次に、私のオートグラフのチューニングで気づいたことをまとめてみました。

問題点1
ツィーターが不自然に鳴っている。音が堅い。何か変である。

解決策
・左右の位相をきちんと合わせる必要がある。左右の場所の点検。
・ツイーターの位置前後させたりしながらミリ単位で調整する。場合によっては、高さも調整する。
・向きを数ミリ内側にふるなど最後まで微調整する。

※すると、高域が自然になり、さらに左右のバランスをとるとかなり良くなってきました。これが、一番時間がかり難しいが、ここぞという位置がわかるまで、繰り返し見つけていきます。

問題点2
フロントホーンの音が、出ていない。オートグラフの中域の輝きがない。

解決策
これは、タンノイの横の3つのレベルを細かく調整することが大切です。私の場合は、ツィーターのつながりを考え、オートグラフの横の1万以上を2目盛り下としていたので、これをひと目盛り上げた。これ以上あげるとうるさくなります。これもすべてのつまみをしぼりながらベストの場所を見つける。

※こうすることで、中域の輝きと存在感が出てきました。このフロントホーンをどう、生かすかが、オートグラフの取り組みの大切な1つです。大半の方が、ここをいじらずに使っています。

問題点3
低域がかぶっていて全体の音を濁らせています。とてもひどい低域になっています。

解決策
やはりSPをガッチリしたベースが必要です。私の場合は、たも集成材で8×100×100にしてものすごく良くなりました。さらに3点支持で低域をしめました。それでも、簡単に良い低域が出てきません。思い切ってオートグラフを前の壁から離しました。5ミリほど下げたのです。すると劇的に変化して中低域のバランスがよくなりました。さらに左右の壁からも調整しました。

※まさか、オートグラフを5ミリ前に移動しただけで、すごい低域の変化にびっくりです。やってみて驚きました。ここまで変化するとはとても予想できませんでした。壁からの距離で変化するということをもう一度再確認して下さい。変わりますよ。

最後にまた、自然な録音のボーカル、弦、オーケストラ、ピアノ、JAZZなど色々音楽ボーカルをかけてチューニングをしていきます。
      
1.ツィーターは、自然に鳴り、高域のかぶりがなくなっているか。

2.フロントホーンの表現力があり。素直に抜けてきているか。

3.低域の質感が向上して、やわらかく抜けた低域が出ているか。

4.そして、最終的に、各ユニットの帯域が、他の邪魔をしていないか。

5.最後は、定位が下がり、音が下に降りてきて、スピーカーから鳴っているのでなく、音が左右、後方に広がり、前方の壁全体から音が出てきて、ステージを形成して漂うような音で、部屋のどこで聴いても同じ音が聴けて、うるさくなく音楽に専念できる素晴らしい音が出てきたら、タンノイが本物の音楽を鳴らしていることに気づかれるでしょう。そこまで達成できれば、タンノイが喜んで音楽を楽しんできます。

    

 

   

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