14.シゲティーを聴く

シゲティを聴く


ぴーんと張りつめた弦の響きが聞こえてくる
この音色はシゲティーだとすぐに気がつく
決して美しいきれいな音色とはいえないが
ひとつひとつの石を積み上げながらできた
力強いピラミッド上の造形物を思わせるような
シゲティの描くベートーヴェンの世界へ
我々をぐいぐい引っ張っていってくれる
七十才を前にしての演奏ながら驚くべき精神力である
ベートーヴェンの雄の精神が
くっきりと見えてくる素晴らしい演奏である
もう二度とこんな凄いバイオリニストは
現れてこないだろう
今日もこのシゲティに出会い
心が安らぎ勇気づけられたことに
とても感謝している


昼下がり


日曜日の昼下がりふと思いついて
自分の気に入っているクラブサンのレコードを
ターンテーブルの上にのせる
ラクロワの弾くクープランが部屋の空気の中に
静かにそして力強くやさしく何ともいえない
ルネサンスの響きが聞こえてくる
何とやさしい時間だろう
中世の時代は戦いの多い
厳しく残酷な時であったろう
しかし今私の聴いているクープランは
とても優雅に心の中に
静かにとけこんでくる
今日もこの美しい旋律に逢うことができたことを
感謝したいと思う
私にとってこの日曜日の音楽会は
とても大切なものになっている

飛び梅

家から15分のところに太宰府天満宮があります。

私の好きな書です

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