10.日立HS−500のめざめ



オーディオ歴の長い方は、この表現ですぐわかると思います。そう、日本の日立が30数年前に開発し、当時6万5千円で売り出した名器です。
このスピーカーは、今年に入り、偶然見つけたホームページで、この懐かしいHS−500を誇りと愛情を持って鳴らされているのに出会いました。この古いスピーカーを、随分苦労され現在のスピーカーに負けない素晴らしい音に挑戦しておられる姿に触れ、20年以上冬眠中であったのを、2月からこつこつ鳴らし込んできました。                           このスピーカーは、2wayであり、高域が削り出しのホーンと低域がアルニコを使ったギャザァードエッジで大きいボイスコイルを使いしまりのある低域が出ており、自然な音色で今、聴いても十分実用になるという素晴らしいものです。当時の日本の日立の卓越した技術者の誇りを感じてうれしくなっております。
その後、このホームページのからアドバイスを受けて半年ほど鳴らしてきました。自然な音であり、風にたなびくような爽やかな高域が出てきています。低域も20cmながら厚い低域が出てきています。オートグラフと値段の差を考えても、十分音楽愛好家の耳を満足しうるものだと思っています。
このスピーカーの為に、アンプを、英国のQUADの66プリアンプと405のパワーアンプをヤフーオークションで安く手に入れました。このペアの聴かせる音色には音楽のつぼをおさえた味のあるアンプであり、タンノイと共に英国の文化の高さを感じております。これにLINNのCDプレイヤーをつなぎ、モダンJAZZと小編成のバロックを聴いています。特にピアノの音色が素晴らしく鳴ります。
30年前に聴いていましたHSー500の音と現在の音を比べますと、アンプやCDプレイヤーなどが格段に進歩しており、HS−500から出てくる美しい音を聴く度に日本人の一人として日立の技術の高さを誇りに思っています。 


HS−500を聴いています。

ネットをはずしたHS−500なかなか美しい

                HSー500のエージング

(1)30年前に、自分の耳を信じてHS−500を購入した。このSPで聴いたニニロッソやサイドバイサイドなどを聴きオーディオの楽しさの1歩を踏み出した。

(2)その後、タンノイのSPに替え、息子の部屋で置物になる。20年間が経過する。

(3)K&KさんのHS−500のホームページに出会い、HS−500のエージングを決断する。

(4)自分の部屋に運び、ほこりを取り除いた。ホーンの内側も磨いた。黒のバッフルが美しく見えてきた。最後にボックスをウッドワックスをかけて磨きあげた。

(5)最初ユニットを壊さないように、小音量でエージングを開始しました。ただし、自然な録音で響きのある音のCDを中心にかけました。20年ぶりなので、また、ユニットが眠っているようで、バランスの悪い音でのスタートであった。しかし、じっくりとエージングしていきました。次に音量を中ぐらいにあげました。今度は、コンチェルトやコーラスなどジャズトリオなどでエージングの第2段階にはいりました。だいぶ、音にまとまりが出来てきました。

(6)次に、HS−500用のアンプをオークションで探し、QUADの66+405を手にいれました。そして、スピーカーコードをメートル1000円程度にグレートアップしました。そして、いよいよHS−500を日常聴ける程度まで高めていくようにしました。さらに、スピーカーのスタンドを自作し、音の質感をチューニングしていきました。それからは、さらに、音楽性のあるソースだけを選び鳴らし込んでいきました。

(7)すると、これが、30年前とは思えない、風がたなびくような高域としまりのある質の良い低域さらには、ここぞという時のダイナミックな表現もできるようになり、日頃聴いてもあまり、オートグラフと違和感のないところまで鳴るようになりました。

(8)その後、オートグラフとHS−500の2セットを同じ部屋で聴きながら、音楽を探究してきました。しかし、スピーカーが2セットだと、アンプ・CDなど機材が充実してくるのは良いのですが、オーディオマニアの性で、加速度的にどんどん機材が増えてきました。
 そこで、2つのスピーカーを追い込んでいけば、今回はオートグラフのために、次はHS−500のためにと交互にグレートアップをしていきます。また、私の12畳程度の部屋では1セットのスピーカーがベターであろうと悟り、思い切って、すべての機材を1台にしてオートグラフを聴いて、豊かな人生を送るという原点にもどり、今後ソースの充実をしていきたいと決心しました。その後、オートグラフを聞きこんでいくと、低域が随分と自然になり豊かな低域とさわやかな高域が特徴であるタンノイが、久しぶりに豊かな音色で鳴りだしました。これで安心して音楽を聴くことに専念できそうです。

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